1年分を通して見る
1年分を通して見る
字幕の全文
- 最後に、この会社の一年分の取引を通して見ます。
- 取引は期中の十九と、決算の三つです。左に取引、右に財務四表を並べて、取引のたびに数字がどう動くかを見ていきます。
- まず現金、それから相手側の科目、最後に合計の順に動きます。
- 最初の取引です。
- クチヒゲさんが500万円を出資して、会社が始まりました。BSの現金及び預金が増えます。CSでは財務活動の株式発行による収入です。
- そのかわりに株式を渡して、BSの資本金が500万円増えます。
- 次の取引です。
- 会社の設立にかかった費用30万円を、現金で支払います。CSでは投資活動のその他の投資支出に入ります。
- 支払ったのはPLの創立費という費用です。
- 利益が減った分、BSの利益剰余金も30万円減ります。
- 次の取引です。
- 事務で使うパソコンを現金40万円で買います。CSでは投資活動の固定資産の取得支出に入ります。
- パソコンはBSの工具器具備品という資産です。
- 次の取引です。
- 文房具などの消耗品を現金5万円で買います。CSでは営業活動のその他の営業支出に入ります。
- すぐ使い切るので、PLの消耗品費という費用です。
- 利益剰余金も同じ5万円減ります。
- 次の取引です。
- チラシの広告に現金5万円を支払います。CSではこれもその他の営業支出です。
- 広告宣伝費という費用がPLに載ります。
- 利益剰余金も同じだけ減ります。
- 次の取引です。
- 銀行から600万円を借りて、BSの現金及び預金が増えます。CSでは財務活動の短期借入による収入です。
- 返す義務はBSの短期借入金という負債です。
- 利息の9万円は先に現金で払います。CSでは利息の支払額に入ります。
- この利息はPLの支払利息という費用です。
- 利益剰余金が9万円減ります。
- 次の取引です。
- アゴヒゲさんからリンゴを500万円分、現金で仕入れます。CSでは営業活動の商品仕入支出です。
- リンゴはBSの商品という資産です。
- 次の取引です。
- さらに200万円分のリンゴを、代金を後で払う約束で仕入れます。BSの商品が増えます。
- 後で払う義務はBSの買掛金という負債です。現金は動かないので、CSの直接法には載りません。
- 次の取引です。
- ハートさんにリンゴを600万円で売り、代金を現金で受け取ります。CSでは営業活動の営業収入です。
- PLには売上高が600万円載ります。
- 渡したリンゴの150万円は、BSの商品が減って、PLの売上原価になります。
- 利益の450万円は、SSを通ってBSの利益剰余金に積み上がります。
- 次の取引です。
- もう一度ハートさんにリンゴを600万円で売ります。
- 今度は代金を後で受け取るので、BSの売掛金が増えます。PLの売上高も600万円です。
- BSの商品が150万円減って、PLの売上原価になります。
- 利益の450万円が利益剰余金に入ります。お金を受け取っていないので、CSの直接法は動きません。
- 次の取引です。
- 仕入れの代金200万円を、アゴヒゲさんに現金で支払います。CSでは営業活動の商品仕入支出に加わります。
- 後で払う義務だったBSの買掛金が無くなります。
- 次の取引です。
- 売った代金の600万円を、ハートさんから現金で受け取ります。CSでは営業収入に加わります。
- 代金を受け取る権利だったBSの売掛金が無くなります。
- 次の取引です。
- 商品を届けるための配送車を現金100万円で買います。CSでは固定資産の取得支出に加わります。
- 配送車はBSの車両運搬具という資産です。
- 次の取引です。
- 店舗を買うため、銀行から2,000万円を借ります。CSでは財務活動の長期借入による収入です。
- 返すのは二十年後なので、BSの長期借入金という負債です。
- 一年分の利息60万円を、先に現金で払います。CSでは利息の支払額に加わります。
- この利息はPLの支払利息という費用です。
- 利益剰余金が60万円減ります。
- 次の取引です。
- 借りたお金で店舗の建物を、現金2,000万円で買います。CSでは固定資産の取得支出に加わります。
- 店舗はBSの建物という資産です。現金が建物に変わりました。
- 次の取引です。
- 取引先に現金200万円を貸します。CSでは投資活動の貸付による支出です。
- 返してもらう権利はBSの長期貸付金という資産です。
- 利息の10万円は先に現金で受け取ります。CSでは利息の受取額に入ります。
- この利息はPLの受取利息という収益です。
- 利益剰余金が10万円増えます。
- 次の取引です。
- 運転資金として借りた600万円を、銀行に現金で返します。CSでは財務活動の短期借入の返済支出です。
- 返す義務だったBSの短期借入金が無くなります。
- 次の取引です。
- 役員報酬のうち手渡す20万円を、現金で払います。CSでは営業活動の人件費支出です。
- 残りの5万円は会社が預かります。BSの預り金という負債です。
- 報酬の総額25万円が、PLの役員報酬という費用です。
- 利益剰余金が25万円減ります。
- 次の取引です。
- 預かった5万円と会社の負担分、合わせて10万円を現金で納めます。CSでは人件費支出に加わります。
- BSの預り金の5万円は無くなります。
- 会社が負担した5万円はPLの法定福利費という費用です。
- 利益剰余金が5万円減ります。
- ここからは期末の決算です。
- 一年使った建物などの分128万円を、PLの減価償却費にします。
- 値打ちが減った分はBSの減価償却累計額として、資産から差し引きます。
- 利益剰余金が128万円減ります。お金は動かないので、CSの直接法は動きません。
- 次の取引です。
- 前払いした利息のうち来期の分30万円を、BSの前払費用という資産にします。
- その分、PLの支払利息が30万円減ります。
- 前受けした利息のうち来期の分5万円は、BSの前受収益という負債です。
- その分、PLの受取利息が5万円減ります。
- 差し引き25万円、利益剰余金が増えます。お金は動きません。
- 次の取引です。
- 法人税等の200万円をPLの費用にします。
- まだ納めていないので、BSの未払法人税等という負債です。
- 利益剰余金が200万円減って、当期の利益が決まります。
- これで一年分の財務四表が完成しました。
- PLの当期純利益468万円は、SSを通ってBSの利益剰余金に積み上がっています。
- SSの純資産の当期末残高968万円は、BSの純資産合計と同じです。
- CSの期末残高531万円は、BSの現金及び預金と同じです。
- PLの税引前当期純利益668万円は、CSの右側、間接法の一番上に入ります。
- そして営業キャッシュ・フローは直接法でも間接法でも、401万円です。
- 利益は468万円、増えた現金は531万円です。利益と現金は一致しません。
- 一つ一つの取引が仕訳になり、帳簿を通って四つの表に届きます。そして四つの表は、同じ数字でつながっています。
- 決算を確定すると、この期末の残高が開始仕訳で翌期へ引き継がれます。
- 財務諸表講座はこれでおしまいです。最後まで見てくださって、ありがとうございました。