会社をつくる
No01 出資金の払込(株式会社の設立)
字幕の全文
- 最初の取引は会社の設立です。
- クチヒゲさんが自分のお金500万円を出して、会社をつくりました。
- そのかわりに会社はクチヒゲさんに株式を渡します。
- 会社から見ると、お金と株式を交換したということです。
- では、この取引で会社の何が増えたのかを5つの要素で考えます。
- 5つの要素とは、資産、負債、純資産、費用、収益のことです。
- まず現金が500万円増えました。現金は資産です。
- 次にクチヒゲさんから受け取った元手、資本金が500万円増えました。資本金は純資産です。
- 資産が増えたら左側、純資産が増えたら右側に書くという決まりがあります。
- これが仕訳です。左側に現金500万円、右側に資本金500万円です。
- この仕訳を仕訳帳の一番下に書き足します。
- 仕訳帳は取引を日付の順に書きためていく帳簿です。
- 次に、仕訳帳から科目ごとの帳簿へ書き写します。これを転記といいます。
- 科目ごとの帳簿を総勘定元帳といいます。
- 現金の元帳の左側に500万円、資本金の元帳の右側に500万円が入りました。
- 元帳の残高を一つの表に集めたものが、残高試算表です。
- 左の合計と右の合計はどちらも500万円で一致しています。
- この試算表の形を変えたものが財務諸表です。
- 現金と資本金はBSに載ります。会社が持っているものとその出どころを表す表です。
- 現金が増えたことはCSにも出ます。株式を発行して得たお金なので、財務活動の欄です。
- CSの一番下、現金及び預金の期末残高は500万円です。これはBSの現金及び預金と同じ数字です。
- 資本金が増えたことはSSにも記録されます。
- SSの一番下、純資産の当期末残高も500万円です。これもBSの純資産合計と同じ数字です。
- PLはまだ動きません。売上も費用もまだ一つも無いからです。
- PLの当期純利益はSSの当期純利益の行につながっています。いまはどちらもゼロです。
- PLの税引前当期純利益はCSの右側、間接法の一番上につながります。間接法は営業キャッシュ・フローの表し方を変えたものです。
- そして営業キャッシュ・フローは、左の直接法と右の間接法でいつも同じ数字になります。いまはどちらもゼロです。
- この五本のつながりは、これからの取引のたびに確かめていきます。
- 全体を見てみましょう。
- この取引は、クチヒゲさんが500万円を出して会社をつくったものでした。
- BSには左側に現金500万円、右側に資本金500万円が載りました。持っているお金とその出どころです。
- CSには株式を発行して入ったお金として、財務活動に500万円が載りました。
- SSには株式を発行した分として、資本金の500万円の増加が載りました。
- PLだけは動いていません。お金は増えましたが、もうけたわけではないからです。
- 次は会社の設立にかかった費用を支払う取引です。
No02 設立費用の支払
字幕の全文
- 次は会社の設立にかかった費用を支払う取引です。
- 会社をつくるときには、登記などの手続きが必要です。法務局などに手続きをしてもらいました。
- その費用の30万円を現金で支払いました。
- 会社の現金は500万円から470万円に減りました。
- では5つの要素で考えます。
- まず設立の手続きにかかった費用30万円です。これは創立費という費用です。
- 次に、支払った現金が30万円減りました。現金は資産です。
- 費用は左側、資産の減少は右側に書きます。
- 仕訳は左側に創立費30万円、右側に現金30万円です。
- この仕訳を仕訳帳の一番下に書き足します。
- 設立の仕訳のすぐ下の行です。
- 次に総勘定元帳へ転記します。
- 創立費の元帳の左側に30万円、現金の元帳の右側に30万円が入ります。
- 現金の元帳の残高は470万円になりました。
- 元帳の残高を残高試算表に集めます。
- 左の合計と右の合計はどちらも500万円で一致しています。
- まずBSです。現金が30万円減って470万円になりました。
- 資産の合計は470万円ですが、右側は500万円のままです。左右がずれています。
- 創立費はPLに載ります。会社の本業ではないので、営業外の費用です。
- 売上はまだ無いので、当期純利益はマイナス30万円です。
- このマイナスもSSを通ってBSの純資産へ流れていきます。
- 利益剰余金がマイナス30万円になって、BSの左右は470万円でそろいました。
- PLの当期純利益マイナス30万円は、そのままSSの当期純利益の行に入っています。
- SSの純資産の当期末残高470万円も、BSの純資産合計と同じです。
- 会社を設立するための支出は、その効果が将来まで続きます。そのため、CSでは投資活動の欄に入れます。
- CSの右側は間接法という作り方です。PLの税引前当期純利益から始めて、現金の動きに直していきます。
- 間接法は営業キャッシュ・フローの表し方が違うだけで、別のキャッシュ・フローを計算しているわけではありません。
- そのため、投資活動と財務活動のキャッシュ・フローは直接法とまったく同じになるので、右の表では書くのを省いています。
- 税引前当期純利益はマイナス30万円ですが、創立費の30万円を足し戻すので、間接法の営業キャッシュ・フローは動きません。
- 創立費の支払は投資活動に入れたからです。直接法の営業キャッシュ・フローと同じ数字になります。
- CSの期末残高は470万円になりました。BSの現金及び預金と同じです。
- PLの税引前当期純利益マイナス30万円は、右側の間接法の一番上に入ります。
- 営業キャッシュ・フローも直接法と間接法で、どちらもゼロのままです。
- 全体を見てみましょう。
- 費用を一つ払うと、現金が減り、利益が減り、純資産も同じだけ減ります。
- 次は事務で使うパソコンを買う取引です。
No03 PCの購入
字幕の全文
- 次は事務で使うパソコンを買う取引です。
- 家電量販店でパソコンを一台、40万円で買いました。
- 代金は現金で支払いました。
- 会社の現金は470万円から430万円に減りました。
- では5つの要素で考えます。
- まずパソコンが手に入りました。パソコンは何年も使って会社の稼ぎに役立ちます。
- そのため費用ではなく、工具器具備品という資産にします。
- 次に、支払った現金が40万円減りました。現金も資産です。
- 資産が増えて、同じだけ資産が減る。資産の中で入れ替わっただけです。
- 資産の増加は左側、資産の減少は右側に書きます。
- 仕訳は左側に工具器具備品40万円、右側に現金40万円です。
- この仕訳を仕訳帳の一番下に書き足します。
- 仕訳帳には三つ目の取引が並びました。
- 次に総勘定元帳へ転記します。
- 工具器具備品の元帳の左側に40万円、現金の元帳の右側に40万円が入ります。
- 元帳の残高を残高試算表に集めます。
- 左の合計と右の合計はどちらも500万円のままで一致しています。
- BSでは工具器具備品が40万円増えて、現金が40万円減りました。
- 資産の中で入れ替わっただけなので、資産の合計は470万円のまま。左右もそろっています。
- PLは動きません。パソコンの代金はすぐには費用にならないからです。
- 使う年数に分けて、期末に減価償却費という費用にしていきます。これは決算の回で見ます。
- PLの当期純利益はマイナス30万円のままです。SSの当期純利益の行も同じマイナス30万円です。
- 純資産も動かないので、SSの当期末残高とBSの純資産合計は、どちらも470万円のままです。
- 長く使う設備を買った支出は、CSでは投資活動の固定資産の取得支出に入ります。
- CSの期末残高は430万円になりました。BSの現金及び預金と同じです。
- 税引前当期純利益もマイナス30万円のままで、右側の間接法の一番上と同じです。
- 営業キャッシュ・フローも直接法と間接法で、どちらもゼロのままです。
- 全体を見てみましょう。
- お金をものに替えただけなので、利益は動かず、資産の中身とお金の流れだけが変わりました。
- 次は事務で使う消耗品を買う取引です。
No04 消耗品の購入
字幕の全文
- 次は事務で使う消耗品を買う取引です。
- ホームセンターで文房具などの消耗品を5万円分買いました。
- 代金は現金で支払いました。
- 会社の現金は430万円から425万円に減りました。
- では5つの要素で考えます。
- 前の回のパソコンは何年も使うので資産にしました。
- 消耗品は金額が小さく、すぐに使い切ります。そのため資産にはせず、買ったときに消耗品費という費用にします。
- 支払った現金は5万円減りました。現金は資産です。
- 費用は左側、資産の減少は右側です。
- 仕訳は左側に消耗品費5万円、右側に現金5万円です。
- この仕訳を仕訳帳の一番下に書き足します。
- 仕訳帳は日付の順に取引を書きためていきます。
- 次に総勘定元帳へ転記します。
- 消耗品費の元帳の左側に5万円、現金の元帳の右側に5万円が入ります。
- 元帳の残高を残高試算表に集めます。
- 左右の合計はどちらも500万円で一致しています。
- BSでは現金が5万円減りました。右側はまだそのままです。
- 消耗品費はPLの販売費及び一般管理費に載ります。
- 費用が増えた分、当期純利益はさらに5万円減りました。
- この5万円もSSを通ってBSの利益剰余金へ流れます。
- PLの当期純利益マイナス35万円が、そのままSSの当期純利益の行に入っています。
- 利益剰余金が5万円減って、BSの左右がまたそろいました。
- SSの純資産の当期末残高465万円も、BSの純資産合計と同じです。
- 消耗品のように毎日の営業で繰り返し出ていくお金は、CSでは営業活動の欄に入ります。
- CSの期末残高は425万円になりました。BSの現金及び預金と同じです。
- PLの税引前当期純利益マイナス35万円は、右側の間接法の一番上に入ります。
- 営業キャッシュ・フローは直接法でも間接法でも、マイナス5万円です。同じ数字になっています。
- 全体を見てみましょう。
- 同じものを買う取引でも、長く使うものは資産、すぐ使い切るものは費用。それで財務諸表の動き方が変わります。
- 次はチラシを配る広告宣伝費の取引です。
No05 広告宣伝費の支払
字幕の全文
- 次はお店を知ってもらうための広告の取引です。
- 広告代理店に頼んで、チラシを配ってもらいました。
- 代金の5万円は現金で支払いました。
- 今回受け取ったのは形のあるものではなく、チラシを配ってもらうというサービスです。
- では5つの要素で考えます。
- 広告の効果はその時に使われてしまいます。そのため広告宣伝費という費用にします。
- 支払った現金は5万円減りました。現金は資産です。
- 前の回の消耗品と同じ形です。費用は左側、資産の減少は右側です。
- 仕訳は左側に広告宣伝費5万円、右側に現金5万円です。
- この仕訳を仕訳帳の一番下に書き足します。
- 会社をつくってから五つ目の取引です。
- 次に総勘定元帳へ転記します。
- 広告宣伝費の元帳の左側に5万円、現金の元帳の右側に5万円が入ります。
- 現金の元帳の右側には、これまでの支払が順に並んでいます。
- 元帳の残高を残高試算表に集めます。
- 左右の合計はどちらも500万円で一致しています。
- BSでは現金が5万円減って420万円になりました。
- 広告宣伝費はPLの販売費及び一般管理費に載ります。前の回の消耗品費と同じ区分に並びます。
- 当期純利益はまた5万円減りました。
- この分も連鎖して利益剰余金が5万円減り、BSの左右がそろいます。
- PLの当期純利益マイナス40万円は、そのままSSの当期純利益の行に入っています。
- SSの純資産の当期末残高460万円も、BSの純資産合計と同じです。
- CSでは営業活動のその他の営業支出に入ります。前の回の消耗品と合わせて10万円です。
- CSの期末残高は420万円になりました。BSの現金及び預金と同じです。
- PLの税引前当期純利益マイナス40万円は、右側の間接法の一番上に入ります。
- 営業キャッシュ・フローは直接法でも間接法でも、マイナス10万円です。同じ数字になっています。
- 全体を見てみましょう。
- ここまでの費用は創立費、消耗品費、広告宣伝費の三つ。まだ売上が無いので、利益はマイナス40万円です。
- 次は銀行からお金を借りる取引です。
No06 運転資金の借入
字幕の全文
- 次は銀行からお金を借りる取引です。
- お店を回していくための運転資金として、銀行から600万円を借りました。返すのは一年以内です。
- 借りたときに、半年分の利息9万円を先に現金で支払いました。
- 現金は600万円入って9万円出たので、差し引き591万円増えました。
- この取引は、借りた元本と払った利息の二つの仕訳に分けます。
- まず元本です。現金が600万円増えて、資産です。借りたお金は返す義務があるので、短期借入金という負債です。
- 次に利息です。支払利息9万円はお金を借りるためのコストなので、費用です。現金は9万円減りました。
- 仕訳は二件です。左側に現金、右側に短期借入金。そして左側に支払利息、右側に現金です。
- 二件の仕訳を仕訳帳に書き足します。
- 元帳へ転記します。
- 残高試算表に集めます。
- 左右の合計は今回も一致しています。
- そして財務諸表です。
- BSでは現金が増えて、右側の負債に短期借入金600万円が載りました。
- 支払利息はPLの営業外費用です。当期純利益が9万円減り、利益剰余金も9万円減りました。
- PLの当期純利益マイナス49万円は、そのままSSの当期純利益の行に入っています。
- SSの純資産の当期末残高451万円も、BSの純資産合計と同じです。
- CSでは銀行から借りた600万円は財務活動、利息の支払は営業活動の欄に入ります。
- 右側の間接法では、税引前当期純利益が支払利息の分だけ9万円減ります。
- そこで支払利息の9万円をいったん足し戻し、小計の下の利息の支払額で実際に払った9万円を引きます。
- CSの期末残高は1,011万円になりました。BSの現金及び預金と同じです。
- PLの税引前当期純利益マイナス49万円は、右側の間接法の一番上に入ります。
- 営業キャッシュ・フローは直接法でも間接法でも、マイナス19万円です。同じ数字になっています。
- 全体を見てみましょう。
- お金を借りると、現金と負債が同じだけ増えます。利益が減るのは利息の分だけです。
- 次は売るための商品を現金で仕入れる取引です。