決算
No20 減価償却費の計上
字幕の全文
- ここからは期末の決算の取引です。
- 最初は減価償却です。一年使った建物や車の分を費用にします。
- 金額は三つあります。建物が100万円、工具器具備品が8万円、車両運搬具が20万円。三つ合わせて128万円です。
- お金のやりとりはありません。帳簿を整えるための社内の取引です。
- では5つの要素で考えます。
- 一年使った分の128万円は減価償却費という費用です。
- その分、建物などの値打ちが減ったことを減価償却累計額という科目に積み上げます。
- 減価償却累計額は建物などの資産から差し引く、資産のマイナスです。なので資産の箱に減少として入ります。
- 仕訳は三行になります。
- 仕訳の左側に減価償却費、右側に減価償却累計額。建物の100万円、工具器具備品の8万円、車両運搬具の20万円を一行ずつ書きます。
- 建物などの金額そのものは減らしません。買ったときの金額を残したまま、減った分を別の科目に積み上げていきます。
- この三行の仕訳を仕訳帳の一番下に書き足します。
- 期中の取引の下に決算の取引が並びはじめました。
- 次に総勘定元帳へ転記します。
- 減価償却費の元帳の左側と減価償却累計額の元帳の右側に三回ずつ書き込まれて、どちらも128万円になりました。
- 元帳の残高を残高試算表に集めます。
- 左右の合計は今回も一致しています。
- BSでは資産の部に減価償却累計額がマイナス128万円で入り、資産の合計がその分減りました。
- PLには減価償却費128万円が販売費及び一般管理費に加わりました。営業利益が減って、当期純利益は643万円です。
- 利益が減った分も連鎖して利益剰余金が128万円減り、BSの左右がそろいます。
- PLの当期純利益643万円は、そのままSSの当期純利益の行に入っています。
- SSの純資産の当期末残高1,143万円も、BSの純資産合計と同じです。
- CSの直接法は動きません。お金は一円も出ていっていないからです。
- 右側の間接法では税引前当期純利益が128万円減りますが、お金の出ていかない減価償却費の128万円を足し戻します。
- 差し引きはゼロで、営業キャッシュ・フローは動きません。
- 現金は動かないので、CSの期末残高とBSの現金及び預金は、どちらも531万円のままです。
- PLの税引前当期純利益643万円は、右側の間接法の一番上に入ります。
- 営業キャッシュ・フローも直接法と間接法で、どちらも401万円のままです。
- 全体を見てみましょう。
- 減価償却で、一年使った建物などの分128万円を費用にしました。
- BSでは減価償却累計額の分だけ資産が減りました。PLでは減価償却費が増えて当期純利益が減り、SSとBSの利益剰余金も同じだけ減っています。
- CSは動いていません。お金は一円も出ていっていないからです。間接法では減価償却費を足し戻して、そろえています。
- 次は前払いした利息と前受けした利息を、当期の分と来期の分に分ける取引です。
No21 前払・前受の振替
字幕の全文
- 次は前払いした利息と前受けした利息を、当期の分と来期の分に分ける取引です。
- 借入れのときに一年分の利息60万円を前払いして、すべて支払利息にしました。この講座では計算を簡単にするため、そのうち半分の30万円を来期の分とします。
- 貸付けで受け取った利息10万円も、同じく半分の5万円を来期の分とします。
- 来期の分は当期の費用や収益から外して、来期へ繰り越します。お金のやりとりはありません。
- では5つの要素で考えます。まず前払いした利息です。
- 来期の分の30万円は、まだ借りている期間が来ていない利息を先に払ったものです。前払費用という資産になります。
- その分、当期の支払利息という費用を30万円減らします。
- 受け取った利息も同じように考えます。来期の分の5万円は先に受け取ったものなので、前受収益という負債になります。
- その分、当期の受取利息という収益を5万円減らします。
- 仕訳は二行になります。
- 一行目は仕訳の左側に前払費用30万円、右側に支払利息30万円です。
- 二行目は仕訳の左側に受取利息5万円、右側に前受収益5万円です。
- この二行の仕訳を仕訳帳の一番下に書き足します。
- 減価償却の下に二つ目の決算の取引が並びました。
- 次に総勘定元帳へ転記します。
- 支払利息の元帳は右側に30万円が入って、残高が39万円になりました。受取利息の元帳は5万円です。
- 元帳の残高を残高試算表に集めます。
- 左右の合計は今回も一致しています。
- BSでは資産に前払費用30万円、負債に前受収益5万円が加わりました。
- PLでは支払利息が39万円、受取利息が5万円になりました。経常利益と当期純利益は25万円増えて、668万円です。
- この利益も連鎖して利益剰余金が25万円増え、BSの左右がそろいます。
- PLの当期純利益668万円は、そのままSSの当期純利益の行に入っています。
- SSの純資産の当期末残高1,168万円も、BSの純資産合計と同じです。
- CSの直接法は動きません。利息のお金は払ったときと受け取ったときに、もう書いてあるからです。
- 右側の間接法では税引前当期純利益が25万円増えます。ただ、利息は受取利息と支払利息の行でいったん取り除いています。
- その下で実際に受け取った利息と払った利息を足し直します。この金額は変わらないので、営業キャッシュ・フローは動きません。
- 現金は動かないので、CSの期末残高とBSの現金及び預金は、どちらも531万円のままです。
- PLの税引前当期純利益668万円は、右側の間接法の一番上に入ります。
- 営業キャッシュ・フローも直接法と間接法で、どちらも401万円のままです。
- 全体を見てみましょう。
- 前払いした利息と前受けした利息のうち来期の分を、当期の費用と収益から外しました。
- BSには前払費用と前受収益が加わりました。PLでは利息が当期の分だけになって当期純利益が増え、SSとBSの利益剰余金も同じだけ増えています。
- CSは動いていません。利息のお金は借りたときと貸したときに、もう動いているからです。
- 次は一年の利益にかかる法人税等を計上する取引です。
No22 法人税等の計上
字幕の全文
- 次は法人税等を計上する取引です。
- 会社の一年の利益には法人税などの税金がかかります。これらをまとめて法人税等といいます。
- 税金は、税引前当期純利益にそのまま税率をかけるわけではありません。税金の決まりで調整した所得に税率をかけて計算します。
- この会社の法人税等は200万円です。納めるのは決算日から二か月以内、来期に入ってからです。
- 200万円は法人税等という費用です。
- まだ納めていないので、未払法人税等という負債になります。
- 仕訳は左側に法人税等200万円、右側に未払法人税等200万円です。
- この仕訳を仕訳帳に書き足します。
- 元帳へ転記します。
- 残高試算表に集めます。
- 左右の合計は今回も一致しています。
- そして財務諸表です。
- BSでは負債に未払法人税等が200万円加わりました。
- PLでは税引前当期純利益の下に法人税等の200万円が入ります。当期純利益は468万円になり、利益剰余金も200万円減りました。
- これで当期の利益が決まりました。
- PLの当期純利益468万円は、そのままSSの当期純利益の行に入っています。
- SSの純資産の当期末残高968万円も、BSの純資産合計と同じです。
- CSは直接法も間接法も動きません。税金はまだ一円も納めていないからです。
- 右側の間接法は税引前当期純利益から始まるので、法人税等は入りません。来期に納めたとき、法人税等の支払額の行に入ります。
- 現金は動かないので、CSの期末残高とBSの現金及び預金は、どちらも531万円のままです。
- PLの税引前当期純利益668万円は、右側の間接法の一番上に入ります。法人税等を引く前の利益なので、今回は変わりません。
- 営業キャッシュ・フローも直接法と間接法で、どちらも401万円のままです。
- 全体を見てみましょう。
- 一年の利益にかかる法人税等200万円を費用にしました。
- BSにはまだ納めていない未払法人税等が加わりました。PLでは当期純利益が468万円に決まり、SSとBSの利益剰余金も同じだけ減っています。
- CSは動いていません。税金を納めるのは来期だからです。
- 次は決算を確定して、この利益を来期へ繰り越す取引です。
No23 決算を確定して、翌期へ繰り越す
字幕の全文
- 当期の取引はすべて終わりました。最後に決算を確定して翌期へ繰り越します。
- マネーフォワードのようなクラウド会計では、このとき裏で次のことが起きています。
- まず当期の数字を確かめて確定させます。ここでは前の期の仕訳をもう入れられないように制限をかけます。
- つぎに収益と費用は翌期に持ち越しません。PLは翌期にゼロから数え直します。
- そして資産、負債、純資産の期末の残高をそのまま翌期の期首の残高として引き継ぎます。この引き継ぎが翌期の初日、四月一日の日付の開始仕訳という一本の仕訳になります。
- このとき、当期純利益の468万円は繰越利益剰余金に入って引き継がれます。ただ、取引のたびに利益を利益剰余金に入れてきたとおり、利益はもう純資産に入っています。繰り越しで利益や純資産が増えるわけではありません。
- では開始仕訳を見ます。新しい取引ではないので、5つの要素に分けるところは飛ばします。
- 仕訳の左側には資産を並べます。現金及び預金531万円、商品400万円、建物2,000万円など七つの資産です。
- 右側には負債と純資産を並べます。長期借入金2,000万円、資本金500万円、そして繰越利益剰余金468万円などです。
- 右側の一番上の減価償却累計額128万円は、負債ではありません。資産から差し引く項目なので、資産の反対の右側に書いて引き継ぎます。
- 左右の合計はどちらも3,301万円です。BSの合計の3,173万円との差は、この128万円です。
- 翌期の仕訳帳はまっさらな状態から始まります。その一行目にこの開始仕訳を書きます。
- 総勘定元帳へ転記します。翌期の元帳には前期繰越として期首の残高が入ります。
- 売上や費用の元帳はありません。収益と費用は翌期にゼロから数えるからです。
- 繰越利益剰余金の元帳には前期繰越の468万円が入りました。
- 元帳の残高を残高試算表に集めます。
- 左右の合計は一致しています。収益と費用の科目はまだ一つもありません。
- そして財務諸表です。
- BSは動きません。前の期末と同じ、資産の合計3,173万円で翌期が始まります。
- PLは翌期の分なので、まだ空っぽです。
- SSの当期首残高は、資本金500万円と繰越利益剰余金468万円、合わせて968万円です。
- PLに当期純利益がまだ無いので、SSの当期純利益の行もゼロです。
- SSの当期末残高968万円は、BSの純資産合計と同じです。
- CSは期首の531万円から始まります。期末残高も531万円で、BSの現金及び預金と同じです。
- PLの税引前当期純利益はまだゼロで、右側の間接法の一番上もゼロです。
- 営業キャッシュ・フローも直接法と間接法で、どちらもゼロです。
- 全体を見てみましょう。
- 決算を確定して、期末の残高を開始仕訳で翌期へ引き継ぎました。当期純利益は繰越利益剰余金に入っています。
- BSは前の期末のまま、SSは期首の残高から始まり、PLとCSは翌期の分をゼロから数えます。
- 次は前の期に計上した法人税等を税務署に納める取引です。